柿を仕込む

去年の秋、デイのスガさんから渋柿をたくさんいただきました。でっかいコンテナに柿がゴロゴロ入ったのがデイの玄関に置いてあって、送迎車から降りて玄関を通ったみなさんは目をキラキラさせて、美味しそう!っておっしゃってました。

渋いんで、そのままじゃ食べられません。

干し柿?ジャム?誰がやるの?みたいな話になり、
いろいろググって、一番は早くできそうな焼酎漬けをやってみることにしました。

そうと決まれば、さっそくみなさんに柿を綺麗に拭いてもらうことに!

柿にまつわるいろんなエピソードが、みなさんの口から次々に溢れてきて、昔の記憶もよみがえり、イキイキとされてました。ピカピカに磨かれた柿はそのままでも美味しそうな見た目!どうしてもというばやんが我慢できずに齧り付いてました。(甘いよ!とすんごい顔で言ってましたw いじっぱりめw)

以下、ちょっと暗い話・真面目な話 ↓

このイラストで右端にいるばやんは、先日亡くなりました。
コロナの感染対策として、陽性者が出たフロアを閉鎖し、入居者のみなさんに居室で過ごしていただいていた期間に、コロナとは関係ない体調不良で入院となり……といった経過でした。

柿を仕込んでいた頃、コロナは飲食時にうつりやすい、と注意喚起されていました。デイサービスではみなさん一緒に昼食を摂るので、必然的に感染リスクは高い状況になります。そんななかで、わざわざ食べるものを仕込んで提供するのってどうなの?という思いがついてまわりました。
でも、こうして振り返った時に、
あの時、柿をピカピカに磨きながら笑ってお話ししたことや、そのあと美味しいって言っておかわりして柿を食べたばやんのお顔が浮かぶから、やってよかったなぁと、思います。
もちろん、感染対策しながら、気をつけながら。
心配しすぎて、ギッチギチに対策しすぎて、結局「なにもしない」ことにならないようにしたいと強く思います。

コロナ禍の状況だからってだけじゃなく、じやんばやんは人生の最晩年の暮らし真っ最中。何が起こるかわからないです。今まで、たくさんのじやんばやんに出会って、お別れもしてきました。正直、全員のことなんて覚えてません。全員のことを絵に描いてるわけじゃないし。だからそもそも僕自身のための勝手な趣味のお絵描きだけれど、そうなんだけれど、それでも、
介護の現場で働く誰かに、介護の現場に大切なご家族がいる誰かに、こんな暮らしがあってこんな時間があって楽しかったよっていうのが伝わったらいいなぁと思って、描いてます。

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